お姫様のお献立て

令和6年(2024年)4月20日(土)12:00~

放生津綿屋において「姫君様のお献立」試食会を行いました。

蔵から発見された「明治四年 屋寿姫君様御越諸事記」に記録のあったお献立を、
郷土料理研究家、経沢信弘(つねざわのぶひろ)氏が再現してくださいました。

経沢氏はこれまでも、加賀藩の参勤交代時の滞在先での献立などを再現してこられました。
中には、現在では大変入手困難な食材もありましたが、経沢氏自らが探し求めて手に入れてくださいました。

生れて初めて口にする「松露」は摩訶不思議な食感と味わい。
経沢氏手製の醤(ひしお)も、生れてはじめての味。
」も食材に記録がありました。
江戸時代、鶴の肉は高級食材であり、武家の御膳に振舞われたという記録は当家の記録の他にも残っているようです。


現在と隔絶された当時の食の歴史にも思いをはせつつ、
輪島塗のつやつやと艶めく漆器で、一口一口、ゆっくりと味わいました。
(取材に来てくださった記者さん、自分たちだけ味わってごめんなさい🙇)

再現した姫君様のお献立て
発見された「明治四年 屋寿姫君様御越諸事記」
記録を残したのは11代妻静好院慎證
(放生津北前船資料館蔵)
諸事記に記録された当時の献立
(放生津北前船資料館蔵)
経沢氏が再現した献立
幻の食材 松露(中央のしいたけ色)
これにだしを注ぎ、御吸物として出された
献立を再現してくださった経沢信弘氏(左)
加賀藩14代藩主慶寧公 四女 慰子姫君様のお部屋